【塗料とペンキの違い】
◆塗料=顔料・樹脂・溶剤などを混ぜて作られたものを指します。外観を美しくするだけでなく、対象物の保護や機能を付与する役割を持ちます。
◆ペンキ=オイルペイントや合成樹脂調合ペイントのこと。植物油などで稀釈します。
植物油などで稀釈されたペンキに比べ、塗料には顔料・樹脂・溶剤などが含まれているため、成分が異なっています。また、塗料は美観だけでなく保護や機能を付与するため、役割的にも違いがあります。
ペンキは対候性が低く劣化しやすい
ペンキと塗料の違いは、成分や役割だけではありません。対候性・乾燥時間・値段など、機能面にも差があります。
対候性に関してはペンキよりも塗料の方が優れており、外壁塗装にペンキを使ってしまうと、塗料を使用した場合よりも短いスパンで再塗装が必要になります。簡単に言うと、ペンキで外壁を塗り替えると変色や劣化が起こりやすくなるのです。そのため、外壁塗装には塗料の方が適していると言えます。
塗料の中でも、シリコン樹脂塗料やウレタン樹脂塗料は対候性が高く、コストとのバランスも良いため、選ばれやすいと言えるでしょう。塗料の種類を変えるだけで、外壁の耐用年数も大きく変わります。
例えば、シリコン樹脂塗料であれば次の塗り替えまでに10~15年ほど猶予がありますが、グレードを1つ下げてウレタン樹脂塗料を選ぶと、塗り替え期間は7~10年とやや短くなるのです。外壁にペンキを使った場合は、対候性が低いため塗り替えの期間がさらに短くなるでしょう。
塗料の方が長持ちするとわかっていても、ペンキの方が安価なため「塗装にかかるコストを抑えるなら、ペンキを使った方が良いのでは?」と考える人もいるでしょう。
確かに、外壁塗装においてコストは重要な要素です。数十万円の費用がかかるため、少しでも安く抑えたいと考えるのは自然なことです。
しかし、外壁塗装において重要なポイントはコスト面だけではありません。上の項目でもお話ししたとおり、耐用年数も重要なポイントの一つです。多くの人は、コストと耐用年数のバランスを考えた上で、どの塗料を使用するか決めています。外壁を保護するという視点で考えても、やはり外壁には耐久性に優れた塗料を使うことをおすすめします。