過電流の発生原因は2種類あります。
間違った配線や故障により短絡(ショート)してしまった場合、もうひとつは過負荷により許容以上の電流が流れる場合です。間違った配線や故障による過電流の場合はすぐに遮断器が働き、電路が遮断されます。この場合は配線の再接続、作業指示書の内容や回路の設計の見直し、機器の点検などを行う必要があります。
過負荷による過電流には、電気機器を一度に多く使ったことで起こる過電流と、電動機に大きな負荷をかけることで起こる過電流があります。
電線には流すことができる電流の大きさが規格されています。過電流により、電線の許容電流を上回った電流が生じ続けると、銅線が過熱し被覆(ひふく)が溶け、発火、火災とさらに大きな被害につながる危険があります。また、一度限度を超える熱が加えられた銅線は抵抗値が大きくなり、続けて使用するとその箇所は熱を持ちやすくなるため危険です。
電動機に大きな負荷をかけた場合、電圧は一定なため電動機に大きな電流が生じます。定格以上の電流が続いた場合、配線の過熱や電動機の破損につながります。
また機器や基盤に過電流が発生した場合、過熱による素子や端子の損傷、モーター焼けなど不具合の原因になることもあります。