送風機にダクトをつなげて換気に使用する場合も多いかと思います。
どのくらいの大きさの送風機を使えばいいのか?
ダクトを延長してどのくらいの風が出るのか?
そう言った問い合わせも多いのですが、弊社では現場での使用状況や送風機とダクトをどのように使うのか?分からないため、現場での酸欠事故防止のため、一切お答えをしておりません。
ダクトの使用の仕方も、まっすぐに伸ばして使う場合とL字型やS字型などにおいて使用する場合などでは、風量が大幅に異なるためです。
こちらの記事をお読みの訪問者様へ、参考になるかどうか分かりませんが、ダクトメーカーのタニザワのホームページから引用いたします。
酸素欠乏症を防止するための換気酸素欠乏空気が存在する恐れのある環境下で作業を行う際には、酸素濃度等の適切な測定と換気が必要となります。換気の方法は、自然換気と機械換気の2種類に大別されますが、自然換気では十分な換気が行えないため、ここでは機械換気とその用品について紹介します。機械換気は送風機等の動力を用いて換気を行う方法で、送気式、排気式、送排気式の3種類に分けられます。動力を用いることから、相応のコストが掛かりますが、短時間で計画的に換気を行うことが出来る利点があります。酸素欠乏症の恐れのある場所における換気量の目安として、作業員1人あたり10m³/minの新鮮な空気が必要であるとされており、これを満足されることが出来る換気装置を選択しなければなりません。換気にあたっては、作業場内を均一に換気できるようにし、隅の部分や溝部などの窪みにも、換気が及ぶようにすることが重要です。そのため、複数系統の換気装置を配置する必要がある場合もあります。また、予備電源を備えるなどして、作業中に換気が止まらないようにする準備も必要です。その他、タンクの清掃やマンホール内へ立ち入る作業においては、墜落を阻止するための措置として、安全帯の着使用をすることは言うまでもありません。(参照:厚生労働省安全衛生部編 特別教育用テキスト「新 酸素欠乏症等の防止」 中央労働災害防止協会発行)
▲口径300mmのスパイラル風管とポータブルファン
マンホール内の作業において多く使用されているのが、ポータブルファンとビニール製ダクト(風管)の組み合わせで、持ち運びや設置・撤去を簡単に行うことが出来ます。
ポータブルファンはその名の示すとおり、小型軽量につくられています。電源も100Vを使用する物が多く、スイッチのON、OFFのみの操作で手軽に使用することが可能です。また、風管の接続方向を変えることで、容易に送気と排気を使い分けることが出来ます。送風量はポータブルファンの能力で決まりますので、作業場の規模に応じた機種を選択することが重要です。スパイラル式風管は硬鋼線を螺旋状に巻いてあるため、使用中に折れ曲がって、風の流れが止まることがありません。送風だけでなく、吸引時にもつぶれることなく使用することができます(ただし、吸引時の使用は注意が必要です。例えば、風管が固定されていない場合や、風管が折れ曲がっている場合など)。送風量が小さいことから、風管の延伸距離に制限がある等の欠点がありますが、ポータブルファンに合わせた口径の風管が用意されており、広く普及しています。また、リング状の硬鋼線を使用したリング式風管もあり、現場の状況に応じて使い分けることができます。風管の延長は、端部のリングを噛み合わせるカップリング方式をとることが多く、簡単に脱着することができます。
爆発の恐れがある場合
タンクローリーの清掃やタンク内の清掃作業など、可燃性ガスの残留や微粉じん等による爆発性雰囲気を形成する恐れのある場所では、防爆構造のポータブルファンと帯電防止性能のある風管を用いる必要があります。
帯電防止風管は、風管自体が難燃性であることはもちろんのこと、カーボンを含んだ生地を使用し、外部に接地アースを設けることで風管自体が帯電しない構造になっています(谷沢製作所の帯電防止風管の生地の表面抵抗率は2×105Ω以下)
▼帯電防止風管
なお、帯電防止と謳ってはいるものの、カーボンシートを外側に貼り付けただけのものや、通常の生地に硬鋼線のアースを付けただけのものがあります。このような製品は、風管内部や硬鋼線以外の生地上に部分的に帯電する可能性があるため、使用する場合には注意が必要です。
換気を実施する際の注意事項としては、空気の流れが短絡しないように、ダクトの吐出口の位置を考慮する必要があります。継続的に換気を実施し、作業員の呼気分の新鮮な空気を常に確保できる環境を整えることが重要です。
作業場所は禁煙であることは言うまでもありません。
複数系統の換気装置を必要とする場合
上記の画像は、貨物船での荷役作業において、船倉内部の換気を行っている一例です。積荷の種類によって船倉内部の酸素を消費する場合がありますので、作業を開始する前には船倉内の空気が完全に新鮮な空気と置換するまで、換気を行う必要があります。換気を継続的に行うことはもちろんのこと、船倉の隅に空気溜まりが出来ないように、換気用の風管を複数配置する必要があります。その際には、空気の流れが短絡しないように配置を考慮する必要があります。